NY商品、原油が続落 中国の景気減速観測で 金は続落
【NQNニューヨーク=戸部実華】1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の10月物は前日比2.94ドル(3.3%)安の1バレル86.61ドルで取引を終えた。中国で新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための行動規制が再び広がっている。景気が減速し、原油需要が細るとの観測から売りが広がった。
中国では四川省成都市が事実上の都市封鎖に踏み切り、北京市周辺や東北部、南部などでも人々の移動を制限し始めた。1日に発表された中国の8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が好不況の境目とされる50を下回ったのも重なり、景気懸念が強まった。
欧米の中央銀行が金融引き締めを続け、世界景気を冷やしかねないとの懸念も原油先物相場の重荷だった。ドルが主要通貨に対して上昇し、ドル建てで取引される原油先物の割高感も意識された。
ニューヨーク金先物相場は5日続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比16.9ドル(1.0%)安の1トロイオンス1709.3ドルで取引を終えた。一時は1699.1ドルと中心限月として7月下旬以来の安値を付けた。ドル高を受け、ドルの代替投資先とされる金先物の売りにつながった。米長期金利が上昇し、金利がつかない金先物の投資妙味が薄れたとみた売りも出た。