日本の教員、勤務時間は最長 授業外で多忙
経済協力開発機構(OECD)が25日公表した「国際教員指導環境調査」では、日本の教員の忙しさも浮き彫りになった。中学教員の平均勤務時間は週53.9時間で、参加34カ国・地域中最も長い。部活動の指導や事務作業など、授業以外に多くの時間を割かざるを得ない実態がうかがえる。一方、自己評価が他国・地域より低い傾向も明らかになった。
調査結果によると、参加国・地域の教員の平均勤務時間は38.3時間。日本の教員は平均の1.4倍の時間働いている計算だ。
内訳をみると、「指導(授業)に使った時間」は17.7時間で参加国・地域の平均(19.3時間)より短い。しかし部活動などの「課外活動の指導」は7.7時間で平均(2.1時間)の3倍以上。書類づくりなど「一般的事務作業」も5.5時間で平均(2.9時間)を上回った。
文部科学省は「教員が授業に集中できるよう、事務職員を増やしたり業務を効率化したりする取り組みを進めたい」としている。
調査では、学級運営や教科指導についての自己評価も聞いた。「生徒に勉強ができると自信を持たせる」という設問で、「非常に(かなり)良くできている」などと答えた教員は17.6%。参加国・地域中最低だった。学級内の秩序を乱す行動を抑えられるかどうかなどの設問も、肯定的な回答が他国・地域より低かった。
校長に対し、「学級内の規律の問題を教員と協力して解決した」頻度を尋ねたところ、「非常に頻繁」または「頻繁」と答えた割合は33.2%で、平均(68.2%)を下回った。