ミスミグループ本社、三枝会長退く 買収・人材育成で手腕
工業機械部品の製造・販売を手がけるミスミグループ本社は23日、三枝匡会長(69)が会長職と最高経営責任者(CEO)を退き、大野龍隆社長(49)がCEOを兼任する人事を固めた。コマツなどの経営改革に携わった三枝氏は2002年にミスミ社長に就任。事業分野の拡大や人材育成など構造改革をけん引した。6月中旬に開催する株主総会と取締役会を経て正式決定する。
三枝氏が進めた改革に一定のめどがたったとみて、CEOを交代する。05年に金型部品メーカーの駿河精機、12年に米系メーカーを買収するなど、従来は商社機能が中心だった事業分野を開発や製造にも広げた。連結売上高は社長就任時の500億円規模から約1700億円(14年3月期見込み)に拡大した。
今後は取締役相談役として事業戦略の立案などに関わるとみられる。生え抜きで、生産現場に明るい大野氏を新トップにすえ、独自商品の開発や新規事業の開拓を加速する。
三枝氏は大手石化メーカーやコンサルティング会社を経て、不振企業の再建支援を担う「事業再生専門家」として知られる。経営関連の著作も多い。
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