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低所得者4000万人で負担減 高額療養費制度の見直し案

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厚生労働省は7日、医療費の自己負担額が増えすぎないようにする「高額療養費制度」の見直し案を専門部会に示した。70歳未満の低所得層で負担軽減を先行する案が有力で、2015年1月の実施を目指す。消費増税や70~74歳の自己負担割合の引き上げが重なることに配慮したためだが、公費のほか財政難の健康保険や国民健康保険からの給付費が膨らむ。経済力に応じた負担を求める改革も鈍りかねない。

高額療養費制度は、手術や入院などで多額の医療費がかかる場合、患者の自己負担に上限を設ける措置。患者は全額をいったん支払い、あとで上限を超えた分の払い戻しを受ける。患者にとって上限が上がれば自己負担が増え、上限が下がると払い戻しが増えて負担が減る。

現行制度は、70歳未満で1億人強の公的医療保険加入者を所得で3つに分け、自己負担の上限額を上の区分からそれぞれ月約15万円、同8万円、同3万5千円と定めている。これをより細かく所得に応じて負担を見直す3つの案を、厚労省は7日の社会保障審議会医療保険部会に示した。

最有力なのが、70歳未満で所得の多い約1300万人を対象に自己負担を増やす一方、所得の少ない約4000万人では負担を減らし、残りは据え置く案。70歳以上でも上限を据え置く。この案では負担増になる人が他の案よりも少なく、低所得層の負担減が際立つ。

医療費は患者の自己負担と、国・地方や健保・国保からの給付費とで賄われる。自己負担を減らせばその分、保険からの給付を増やすことになり、特に健保や国保などからの給付費増は年600億円に達する見込み。保険財政を圧迫し、将来の保険料の引き上げを招きかねない。部会では健保や国保を運営する市町村などから慎重論が相次いだが、最終的には厚労省への一任を決めた。同省はこの案を軸に財務省と調整し、年末のとりまとめを目指す。

厚労省が3つの案を提示したのには、与党の一部が低所得者配慮を強く要求した経緯がある。結果、政府の社会保障制度改革国民会議がうたった「能力に応じて応分の負担を求める」との改革の趣旨が弱まった格好だ。

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