中国電、原発再稼働の取り組み継続 「上関」新設計画も
中国電力は27日、広島市の本社で定時株主総会を開いた。原子力発電所の廃炉や建設中止を定款に盛り込む議案など、原発反対の株主が提案した議案はすべて反対多数で否決した。苅田知英社長は原発について「一定の比率で活用していく必要がある」と説明。島根原発(松江市)再稼働に向けた取り組みや山口県上関町での新原発開発について継続する方針を示した。
総会には554人の株主が出席。東京電力福島第1原発事故後、初の開催だった昨年と比べ146人少なかった。総会は過去2番目に長い3時間29分で終了した。総会の冒頭、苅田社長は「原子力、石炭、天然ガス、水力などをバランス良く組み合わせることが重要」と述べた。
運転開始から38年が経過した島根原発1号機(松江市)について、松井三生副社長は「点検や機器の交換などを通じて設備を健全な状態に維持している。現時点で廃炉にする計画はない」と述べた。
株主からは電力のコスト構造に関する質問も相次いだ。中国電は直近3年間平均の原発の発電コストが1キロワット時あたり13円であることを明らかにし、水力や火力発電より高い水準にあるとした。ただ、この3年間は設備稼働率が53%と低く「70%程度になれば(他の電源と)十分競争力がある」(信末一之常務)と説明した。
再生可能エネルギーの導入拡大をめざす特定非営利活動法人(NPO法人)代表の飯田哲也氏を取締役に選任する議案など、原発に反対する株主が提案した5議案をすべて反対多数で否決。会社提案の3議案を賛成多数で可決した。
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