東証大引け、大幅続落 円上昇で1カ月ぶり安値 安値引け
29日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に4日続落。終値は前週末比468円85銭(3.32%)安の1万3661円13銭と、6月27日以来、約1カ月ぶりの安値水準を付けた。終値でも心理的節目の1万4000円を下回るのは今月1日以来となる。米金融緩和の長期化観測を背景に外国為替市場で円相場が対ドルで一時1ドル=97円台と、約1カ月ぶりの高値に上昇したことを受けて、売りが優勢だった。大引けにかけては先物に売りがかさみ、安値引けとなった。
日経平均は寄り付きから節目の1万4000円を下回ると、終始売りに押される展開となった。市場では参院選を通過したことで「ヘッジファンド勢が日本株売り・円買いに転じている」との指摘があった。投資家のリスク回避姿勢が強まり、輸出株から内需株まで幅広い銘柄に売りが広がった。安倍晋三政権による政策の恩恵を受けるとの見方から買われてきた証券株などの下落も目立った。
東証株価指数(TOPIX)は大幅に4日続落した。業種別TOPIXは33業種全てが下落した。
今週に山場となる4~6月期決算に対する楽観的な見方も後退しつつある。29日は好決算を発表した野村や、業績観測が伝わった村田製やマツダも下落。好業績は株価に「織り込み済み」との声や、「期待ほど業績が改善しなかった」と失望する声も出ていた。大引け後の決算発表を前にコマツや日立建機も売られた。一方、決算で悪材料出尽くし感が広がっているファナックの上げ幅は一時4%強に達し、逆行高となった。
東証1部の売買代金は概算で2兆1924億円、売買高は25億6546万株。東証1部の値下がり銘柄数は全体の95%を占める1676、値上がり銘柄数は57、変わらずは15だった。ファストリ、ソフトバンク、信越化、ホンダ、JTが安い。東電は下げ幅を一時11%超に広げた。一方、ニコン、日立金、洋機械が高い。
東証2部株価指数は続落。Jトラスト、不二サッシ、高木が安い。一方、日本ケミカル、NDソフトが高い。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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