東証大引け、7日続伸で連日高値 個人の換金売り終了で全面高
26日の東京株式市場で日経平均株価は10月8~17日以来となる7日続伸。前日比164円45銭(1.03%)高の1万6174円44銭で終え、連日で年初来高値を更新した。株式需給の改善や円相場の一段安を手掛かりに買いが先行し、時価総額上位の銘柄を中心にほぼ全面高の展開となった。このところ上値の重さが目立っていたトヨタが見直し買いを集め、一時3%高と急伸した。
年内受け渡し最終日だった前日で、証券優遇税制の廃止を控えた個人などの売りが終了した。逆にきょうからは少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)の導入に伴う株式の購入が可能となり、需給が急速に改善したとの声が多い。「換金売りがなくなり、時価総額上位銘柄の需給の重荷が取れた。今後はこれまでややいびつだった指数主導の上昇から、幅広い銘柄の底上げが見込まれそう」(マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジスト)という。
日経平均は前場中ごろ、やや伸び悩む場面があった。きょう内閣発足から1年を迎えた安倍晋三首相が、靖国神社に参拝。中国や韓国との関係悪化を懸念した売りを誘ったとみられる。
東証株価指数(TOPIX)の堅調が目立ち、終値は1279.34と5月22日の1276.03を上回って年初来高値を更新した。これまで短期マネーが主導する日経平均の上昇が突出していたが、きょうは自動車や金融などTOPIXへの影響が大きい銘柄に物色が向かった。
東証1部の売買代金は概算で2兆1833億円、売買高は26億5712万株。幅広い銘柄への買いを映し、東証1部の値上がり銘柄数は1620と9月9日(1624)以来の高水準で、全体の91%に達した。値下がり銘柄数は120、変わらずは29だった。
ソフトバンクが急伸して年初来高値を更新。野村、三菱UFJ、みずほFG、三井住友FG、大和など金融株がそろって買われた。藤ゴム、日本橋が大幅高。半面、ファストリが急伸の反動から小幅に反落。キヤノン、エイチーム、KDDIが下落した。
東証2部株価指数は2%高と大幅に続伸した。Jトラスト、AGCap、ビルト工が上昇し、瑞光、東亜石が下落した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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