外為17時 円、反発し93円台前半 民主党議員の発言で買い戻し
5日の東京外国為替市場で円相場は5営業日ぶりに反発。17時時点では1ドル=93円16~19銭近辺と、前日の同時点と比べ27銭の円高・ドル安水準で推移している。日銀副総裁候補の岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事が衆院で所信表明を終えた。円売りの材料がひとまず出尽くしたとの見方が広がり、円買い・ドル売りが優勢になった。
朝方は方向感に乏しく、横ばいで取引を開始。午前の衆院議院運営委員会で岩田氏が量的金融緩和策でデフレ脱却を目指す方針を示すと、円売りが出て、一時93円52銭近辺に下落した。
ただ岩田氏の発言内容はこれまでの主張内容と大差がなかったため、円売りは長続きせず、上昇に転じた。円安進行を予想して売っていた市場参加者が円の底堅さを嫌気し、買い戻しに動いた。
午後に円は一段と強含んだ。民主党の津村啓介衆院議員が岩田氏に賛成できないと発言。これに反応し、円買いが優勢になったとの見方があった。円は一時92円92銭近辺まで上昇した。
9~17時の円の値幅は60銭ほどだった。
円は対ユーロで横ばい。17時時点では1ユーロ=121円53~56銭近辺と、同1銭の円高・ユーロ安水準で推移している。朝方は円売り・ユーロ買いが優勢だった。日銀副総裁候補の所信表明を終え、円の買い戻しが優勢になり、一時121円台前半の水準に上昇した。
ユーロは対ドルで3営業日ぶりに反発。17時時点では1ユーロ=1.3043~46ドル近辺と、同0.0035ドルのユーロ高・ドル安で推移している。ユーロは日中、小高い水準で方向感が乏しかったが、夕方に欧州の株式相場が上昇して始まると、ユーロ買いがやや強まった。
オーストラリアドルは対米ドルで上昇。17時時点では1豪ドル=1.02米ドル台前半と、前日17時時点の1.01米ドル台前半から水準を切り上げて推移している。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が5日の理事会で政策金利を年3%に据え置くと決定。一部で利下げ観測があったため、豪ドル買いが優勢になった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕