徳島県、津波最大20メートル想定 M9なら県南部で
徳島県は20日、徳島県沖でマグニチュード9.0の地震が発生した際に県内に到達する津波の高さや浸水する地域を示した新たな「津波浸水予測図」を発表した。県南部では最大20メートルの津波を予測している。沿岸部の市町はこれを基に、新たな避難ルートの策定や避難場所の見直しなどを進める。
予測図は室戸岬(高知県室戸市)から潮岬(和歌山県串本町)を震源地に想定している。ここは、国の中央防災会議が「東海・東南海・南海3連動地震」の震源域に想定している南海トラフと呼ばれる活断層。
津波の高さは県南部の美波町阿部で最大20メートル。県が2003年に公表した予測(7メートル)のほぼ3倍。高知県境の海陽町宍喰は19メートルで、03年予測(9メートル)の2倍以上となった。県北部では徳島市で最大3.9メートル、鳴門市で4.9メートル。浸水区域は県全体で159平方キロメートルに及び、03年予測(73平方キロメートル)から大幅に広がった。
津波の到達時間は県南部では第1波が発生から2~7分後、最大の高さに達するのは30~70分後。県北部は第1波が20~40分後、最大になるのは40~60分後としている。
徳島県は東日本大震災を受け、専門家で構成する検討委員会を設置し、03年予測の見直しを進めていた。