任天堂の山内溥前社長が死去 85歳
任天堂前社長で、同社を世界的なゲーム機メーカーに育てた山内溥(やまうち・ひろし)氏が19日、肺炎のため京都市内の病院で死去した。85歳だった。告別式は22日午後1時から京都市南区上鳥羽鉾立町11の1の同社本社。喪主は長男、克仁氏。
1927年、京都府生まれ。49年、家業のカルタ・トランプ会社、丸福(現・任天堂)の社長に就任した。早くからハイテク玩具の成長性に目を付け、83年に発売した家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」が大ヒット。「スーパーマリオブラザーズ」などの人気ソフトも生み出し、任天堂を世界企業に育て上げた。
52年間の社長在任中、ゲーム機「ゲームボーイ」「NINTENDO64」、ゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズなどを発売。92年には個人として米大リーグのシアトル・マリナーズに出資し、日本人として初めて大リーグ球団のオーナーに就任した。
2002年に任天堂の社長を退き、相談役に就任。05年に取締役も退任した。筆頭株主として同社への発言力を維持しながらも表には出ず、後進の育成に努めた。
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