関大、天六キャンパスを売却 苦学生支えた歴史に幕
関西大学(大阪府吹田市)は16日、かつて夜間学部(2部)があった大阪市北区の「天六キャンパス」を売却すると発表した。同日、売却先の阪急不動産(大阪市)と売買契約を締結。働きながら学ぶ苦学生を支えた「まちなか」のキャンパスが、85年の歴史に幕を閉じる。
売却額は約40億円で、跡地にはマンションの建設が計画されている。関大は梅田駅近隣の土地(北区鶴野町)を阪急不動産から購入し、新たに社会人教育などの拠点を設けるという。
天六キャンパスは1929年に完成、35年から65年までは大学本部があった。法学部や商学部などの2部が置かれ、都心のキャンパスとして苦学生らが学び、関西の政官財界、法曹界などに多数の人材を輩出した。今年10月から解体工事が始まる。
同大学の2部は全国的な夜間学部の人気低迷とともに94年には千里山キャンパス(吹田市)に移転、2003年に廃止された。天六キャンパスでは公開講座などを実施していた。楠見晴重学長は「活用を模索してきたが有効策がなかった。社会人教育の機能は梅田で継承したい」と話した。