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ベネズエラのチャベス大統領死去 資源国有化進める

米国批判繰り返す

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【サンパウロ=宮本英威】南米ベネズエラのウゴ・チャベス大統領(58)が5日、首都カラカスで死去した。がんで治療中だった。低所得者層の支持を基盤に1999年2月に大統領に就任。資源国有化など民族主義的な政策運営で国家を率いた。豊富な石油資源収入を裏付けに中南米域内で強い影響力を誇り、「帝国主義的だ」として米国への強い批判を繰り返してきた。

マドゥロ副大統領が公表した。チャベス氏は、2011年6月に訪問先のキューバで骨盤膿瘍(のうよう)の緊急手術の際にがんが見つかった。いったんは完治を宣言していたが、昨年12月8日に国営テレビでの演説でがんの再発を表明。キューバで手術した後、2月にベネズエラに帰国して治療にあたっていた。

チャベス大統領が死去したことで、憲法上の規定に基づき再選挙が行われる。投票までの間はマドゥロ副大統領が職務を代行する。

チャベス氏は大統領としては海外企業の国有化を通じて「資源ナショナリズム」を強化すると同時に、「21世紀の社会主義」と銘打った社会改革を進めてきた。石油収入を元手に支持基盤の低所得者層向けの補助金を拡充した。ただこうした施策は「ばらまき的」との批判を招くとともに、治安の悪化や物価上昇には有効な手立てを打てなかった。

米国の姿勢に一貫して批判的で、イラク戦争での米国の単独行動主義を「悪魔」に例えて非難した。米州での自らの発言力を高めるために、中米ニカラグア、南米エクアドルなど周辺国の大統領選では左派候補に資金を援助してきた。11年12月には、米国とカナダを除く米州諸国が参加する、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の発足を主導した。

チャベス大統領は陸軍落下傘部隊の大佐だった92年には当時の政権に対してクーデターを起こした。クーデター自体は失敗したが、その後も政治活動を重ねて既存政党への不満を抱える国民の受け皿となった。02年には逆に、反チャベス派の軍部にクーデターを起こされたがわずか2日で権力の座に返り咲いた。

チャベス氏は昨年10月の大統領選挙で主要野党の統一候補だったエンリケ・カプリレス氏を破って4選を果たした。

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