エジプト暫定大統領、軍に逮捕権付与 地元紙報道
【カイロ=押野真也】エジプトのマンスール暫定大統領は28日、軍に一般市民を拘束できる権利を与える大統領令を出した。軍のクーデターで解任されたモルシ前大統領を支持するイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が軍に反対するデモを続けており、今回の軍の権限強化はデモの強制排除に向けた動きの一環とみられる。
地元紙アルアハラムが28日に報じた。暫定政権のマンスール大統領はベブラウィ首相に対し、軍による逮捕権付与を命じる大統領令を発令。マンスール大統領は同胞団のデモを強制排除する可能性を示唆しており、軍への逮捕権付与はデモ隊をけん制する狙いもありそうだ。
エジプトでは同胞団の支持者が軍に抗議するデモを国内各地で続けている。暫定政権側は早期の事態収拾を目指し、強制排除も辞さない構えを見せている。
しかし、27日にはデモ隊と治安部隊との衝突で70人以上が死亡しており、軍が強制排除に乗り出せば犠牲者が拡大するとの懸念も高まっている。