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米フェイスブック、携帯向け課金サービス開始

ソフトバンク・KDDIなど9社と組む

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【バルセロナ=奥平和行】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは27日、KDDIや米ベライゾン・ワイヤレスなど日米欧の通信大手と組み、携帯電話を通じた課金サービスを始める方針を明らかにした。利用者がアプリなどの代金を携帯の料金と一緒に支払うことができるようにする。使い勝手の高い課金の仕組みを提供し、アプリの開発・利用を促す。

27日にスペイン・バルセロナで開幕した「モバイル・ワールド・コングレス2012」で、バート・タイラー最高技術責任者(CTO)が説明した。ソフトバンクや英ボーダフォンなどを含む9社が協力する。具体的な開始時期や、フェイスブックと通信会社がどのように手数料を分配するかなど詳細は明らかにしていない。

これまでフェイスブックを通じて有料アプリを利用する場合、外部企業が提供する課金サービスを利用するのが一般的だった。こうしたサービスでは認証のためにSMS(ショートメッセージサービス)でメッセージを受信する必要などがあったが、フェイスブックは通信大手と組んでこうした手間を省く。

同社のサービスは世界の利用者が8億人に達しており、今後の成長戦略の柱としてフェイスブックの上で動くアプリを拡充して利用頻度や時間を増やすことを挙げている。昨秋以降は最近の活動を一括して表示する「ニュースフィード」などを通じて、友人が音楽やニュースに関するアプリをどう使っているかを見ることができるサービスを始めた。

27日の講演でタイラーCTOは、米インテルや韓国サムスン電子、ソニーなどと共同で、携帯の種類が異なってもアプリが同じように動くようにするための技術指針を作る方針も明らかにした。いずれもフェイスブックの「プラットフォーム」としての魅力を高め、アプリ開発者をひき付けるための取り組みだ。

課金サービスもこの戦略に沿ったものだが、この分野では米アップルや米グーグルが先行している。アップルなどは基本ソフト(OS)やコンテンツ配信などのサービス、外部企業が提供するアプリを含む「エコシステム(生態系)」の優劣を競っており、フェイスブックの本格参戦により米IT(情報技術)大手を中心とする陣取り合戦が一段と激化しそうだ。

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