米住宅市況、FRB議長「驚いている」 回復の鈍さに
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は16日、前日の議会上院に続き、同下院金融サービス委員会でも定例証言に臨み、米住宅市況の回復の鈍さについて「いささか驚いている」と語った。
イエレン氏は2013年後半にFRBの出口観測が広がったことで長期金利が上昇し、住宅の回復テンポが鈍った経緯に触れ、「後退は一時的にとどまると期待していた」と説明した。復調が遅れている原因ははっきりしないとしながらも、金融機関による住宅ローンの融資基準がなお厳しいことなどを指摘した。
ただ今年1~3月期の米経済成長率が大幅なマイナスになったことに関し、「経済の先行きには楽観的だ」とも語った。
今秋に量的緩和を終了した後の利上げに向けた道筋に関してイエレン氏は、「今年末までに詳細をとりまとめたい」と表明。事実上のゼロ金利解除の時期などについては、「決まったタイミングは一切ない」「機械的な公式はない」などと繰り返した。
(ワシントン=矢沢俊樹)