中国富裕層、最も行きたいのは日本 温泉・グルメ…
米系旅行サイト調べ
日中関係が悪化する中でも、多くの中国人富裕層が旅行先として日本に魅力を感じていることが分かった。米系旅行情報サイト「トラベルズー」の調査によると、中国大陸の会員の29%が2014年に最も行きたい旅行先として日本と回答、日本の順位は13年の10位から1位に躍進した。円安で買い物に割安感があるほか「温泉やグルメが楽しみ」と答える人が増えた。
調査は中国大陸、香港、台湾、日本、オーストラリアの5カ国・地域の会員3400人が対象。大陸の会員の回答数は約700で、平均年収は5万ドル(約520万円)を超える。
大陸の会員の回答で13年に首位だったオーストラリアは7位に、2位だったモルディブは6位に降格。中間層でも行けるようになったことから、富裕層は敬遠し始めたようだ。映画のロケ地として人気だったタイは政治の混迷が客足を鈍らせた。これらの受け皿として日本が浮上した。
旅行で重視するものを聞いたところ「温泉」(38%)「ワインや食事」(36%)と答えた人の比率はほぼ倍増した。
回答者の84%は「カフェやレストランに入ったら、まず無料の無線LANを探す」としており、受け入れ側はこうしたニーズに応じる必要がある。
一方、日本人にとって中国は人気渡航先ではなく、中国富裕層の「片思い」。調査期間は昨年11月末~12月中旬で安倍晋三首相の靖国神社参拝の影響は加味されていない。(大連=森安健)