NY株、史上最高値を上回る 一時100ドル超上昇
【ニューヨーク=川上穣】5日午前のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が続伸し、2007年10月9日に付けた過去最高値(1万4164ドル)を一時上回り、1万4200ドル台をつけた。アジアや欧州市場の株高を好感し、朝方から買いが先行した。米国や日本での積極的な金融緩和を通じ、余剰マネーが株式市場に流入するとの期待が相場を下支えしている。
ダウ平均の前日比の上げ幅は100ドルを超える場面があった。素材やIT(情報技術)、通信などの銘柄が買われた。
ダウ平均は09年3月の金融危機後の安値から2倍強の水準まで上昇している。住宅や雇用の改善で米景気の回復期待が高まっていることも買い材料だ。世界景気の先行き不安の後退で、米企業の収益も底堅く推移する。こうした中で、マネーが年明けから株式市場に回帰している。
米国では3月1日に連邦政府の歳出の強制削減が発動され、欧州でも総選挙後のイタリアに財政再建への不安が浮上している。足元ではリスク要因も増えているが、投資家は金融緩和に伴うカネ余り相場に期待をつないでいる。