京大、フランス社とiPS細胞を共同研究
京都大学のiPS細胞研究所(所長=山中伸弥京大教授)は25日、フランスのバイオ企業、セレクティス(パリ市)と共同研究を始めると発表した。山中教授が開発した新型万能細胞(iPS細胞)について、様々な臓器や組織に育つ能力を持つ仕組みなどを詳しく調べ、病気や事故で失った臓器や機能を回復させる再生医療などに役立てる。
セレクティス社は欧州有数の研究機関であるパスツール研究所から分離・独立した企業で、遺伝子操作技術に強みを持つ。同社は再生医療の治療目的でiPS細胞に関する特許を京大側からライセンス供与されている。共同研究期間は1年で、随時更新する。
iPS細胞は難病などの克服の切り札になると考えられているが、科学的に未解明の部分があるほか、がん化しやすいといった課題がある。両者は共同研究によってiPS細胞の問題を克服し、再生医療や新薬開発などへの応用が進むことを期待している。