ザリガニに意志、歩く前に脳が活動 無脊椎動物で初確認
北大
北海道大学の加賀谷勝史学術研究員と高畑雅一教授は、ザリガニが歩行などするときに働く脳の仕組みを解明した。実際に歩く1~2秒前に、脳の神経細胞が活動を始めていた。同じ現象は霊長類などでも確認されているが、無脊椎動物では初めて。比較的単純な脳を持つとみられていたザリガニが外部刺激で動く反射ではなく、意志を持って動いていたことを示す成果だ。
加賀谷研究員らは、細い電極を脳の神経細胞に付けたザリガニを歩かせる実験をした。複数の神経細胞を調べたところ、歩き出す1~2秒前に電圧が上がり、活動を始める特定の細胞を見つけた。
この神経細胞は、歩き始めると逆に電圧が下がり、活動が抑制されていた。加賀谷研究員は「歩き始める前にザリガニなりの"意志"が働き、実際に筋肉を動かす神経細胞とは別の細胞が活動を始めることで、動く準備をしているのではないか」と説明する。