COP19フィリピン代表「異常気象は狂気」 台風被害で
第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)で、巨大台風で大規模な被害を受けたフィリピン政府代表団が11日演説し、「祖国を襲った極端な異常気象は狂気だ。私たちでなければ、誰がいつ地球温暖化を食い止めるのか」と、涙ながらに交渉進展を訴えた。
ナドレブ・サニョ交渉官は通常与えられる3分間の発言時間を大幅に超過し、17分間にわたって同国の台風被害の悲惨さを強調。自身の親族が住む街が被害にあったことも明かした。「私はもはや声を上げられなくなった多数の犠牲者の代わりに訴えている」と語った。
演説が終わると、各国の代表団らが立ち上がって拍手でたたえた。議長を務めたポーランドのマルチン・コロレツ環境相は「偉大なスピーチに感謝する」と述べたのち、全員で黙とうした。(ワルシャワ=浅沼直樹)