東急、JR東日本に鉄道車両事業を譲渡
新幹線など製造
東京急行電鉄は27日、子会社から鉄道車両事業を切り離して東日本旅客鉄道(JR東日本)に譲渡すると発表した。譲渡額は約65億円。東急グループから車両製造部門はなくなり、今後は外注で対応する。JR東日本は通勤路線を中心にステンレス車両を拡充する考えで、技術開発力や特急車両の製造能力を傘下に取り込む。
東急がJR東日本に譲渡するのは東急車両製造(横浜市)の鉄道車両製造部門。東急は新鉄道車両会社を全額出資で設立し、東急車両製造から切り離した同部門を2012年4月に吸収させる。車両製造関連の従業員約1000人は新会社に移る。
東急車両製造は1948年設立で、横浜市内にあった旧海軍の航空基地を使って戦災を被った鉄道車両の修繕を始めたのが起源になっている。2011年3月期の売上高は355億円、最終損益は68億円の赤字だった。東北新幹線や上越新幹線の車両製造を担っており、現在製造する車両の半数がJR東日本向けという。
東急は東急車両製造の立体駐車装置や特装自動車事業を新明和工業に譲渡することも発表した。一連の譲渡で東急は約90億円を得る。主要事業を切り離した後の東急車両製造は資産管理会社として残す。〔日経QUICKニュース〕