アマゾン川地下に「大河」発見 全長約6千キロ
ブラジルの研究グループ
【リオデジャネイロ=共同】アマゾン川の地下に別の"大河"―。ブラジル国立天文台の研究グループは26日までに、アマゾン地域の地熱を調べた結果、同地域の地下約4キロにアマゾン川より幅の広い全長約6千キロの地下水脈が流れていることが分かったと発表した。
アマゾン地方の地下には大量の水が存在することは指摘されていたが、アマゾン川を上回る巨大な水流の存在が確認されたことは、未解明の謎がいまだ多いアマゾン地域を知る上で貴重な成果といえそうだ。
同グループは研究者の名から地下水流を「ハムザ川」と命名。25日付の地元紙エスタド・ジ・サンパウロによると、ハムザ川は幅200~400キロで、アマゾン川河口付近の倍以上。ペルー、ボリビア国境からアマゾン川河口に向けて北東方向に流れている。土砂混じりのため流れは遅く、最大秒速2メートルのアマゾン川に比べ、ハムザ川の水は1年で10~100メートルしか進まない。
研究グループは、国営石油会社ペトロブラスが調査のために1970~80年代にアマゾン地方で採掘した241カ所の深井戸の温度データなどを分析。大量の地下水が一つの大きな流れになっていることを突き止めた。
同天文台のバリヤ・ハムザ博士らのグループは報告書で「地下水脈が一つの大きな流れだったことが確認できた。(今後)アマゾンの水について考える際に、地下水脈も考慮に入れなければならない」と指摘した。
アマゾン川の長さは約6516キロでナイル川に次いで世界2位。流域面積は約705万平方キロで世界最大。