JR東海の新幹線、他社カードでネット予約可能に
東海旅客鉄道(JR東海)は26日、新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス(EX)予約」を拡充し、10月9日から他社のクレジットカードで利用できるようにすると発表した。従来は専用のクレジットカードが必要だった。対象カードの拡大に伴いデータを処理するサーバーの能力も増強し、会員獲得に弾みを付けたい考えだ。
新サービス「プラスEX」では、ジェーシービー、三井住友カード、三菱UFJニコス、トヨタファイナンスなどが発行する個人向けのクレジットカードが対象。東海道新幹線区間(東京―新大阪)のみで導入し、使えるカードや区間を順次拡大する。開始に伴うシステム改修費は約7億円。
9日から各クレジットカード会社を通じ申し込みを受け付ける。会員登録すれば携帯電話やネット経由で新幹線の予約・変更ができる。2~3週間後に申込者には郵送で専用のIC乗車券が届く。同乗車券をかざせば改札を通過できる。
年会費は525円。指定席、グリーン席は通常の所定額に400~500円の割引が適用される。例えば、東京―新大阪間ののぞみ普通車指定席は通常期の所定額より500円安い1万3550円(大人片道)。東京―名古屋間では400円安い1万380円となる。
従来のEX予約と比べて年会費を半額に設定。一方で指定席などの割引額をほぼ半分に抑え、利用状況に応じてグリーン車が利用できるポイント制度がないなどサービスは限定した。
これまでEX予約の会員は出張で東海道新幹線の利用頻度が高いビジネス客が中心。プラスEXの導入をテコに個人の観光利用など新しい顧客に会員層を広げたい考え。
EX予約の会員数は8月末時点で206万人。今年度からサーバーの増強を進めており、「会員数が倍近くに増えても耐えられる容量は確保した」(山田佳臣社長)という。
同社は26日、東海道新幹線の新型車両「N700A」が来年2月8日から営業運転を始めることを明らかにした。13年度までに計13編成を順次投入する。EX予約の拡充とあわせて利用者数の増加を目指す。
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