北海道電、電力企業から購入し臨時供給増 停電回避へ苦肉の策
北海道電力は30日、電力不足に伴う今冬の停電を避けるため、緊急時に企業に電力使用を控えるよう求める「計画停電回避緊急調整プログラム」の契約状況を発表した。国が目標とした33万キロワットに対し、31万キロワットを確保。当初計画した工場の生産停止など需要の抑制だけでは足りず、企業の自家発電を臨時に買い取る供給上積みを組み合わせる苦肉の策となった。
プログラムでは火力発電所の故障などで需要に対する供給余力が1%以下になる場合、北電が企業に通告。企業は2時間以内に生産を停止したり臨時休業にしたりして電気の使用を減らす。33万キロワットの需要を減らせば、停電を避けられると国は見込んでいる。
契約電力が500キロワット以上の工場など1200カ所に協力を求めたところ、105カ所から計20万キロワットの削減の契約を結んだ。契約電力の合計は25万キロワットなので、緊急時には平均で8割の削減に応じることになる。
だがこれだけでは目標に及ばず、北電は供給上積みも加えることにした。自家発電する企業4カ所から、計11万キロワットをいざというときに購入する。使用電力を削減する契約分とあわせて、計31万キロワットの需給改善にこぎつけた。今回の供給増分は「試運転の自家発電を緊急時だけ供給してもらう。常時の上積みには計算できない」と北電は説明する。
北電はこれまで1200カ所の協力依頼先のうち9割の訪問を終えた。さらに依頼を続け、需要の削減を求める。
道内の電力は東日本大震災前まで4割を原子力発電に依存していたが、5月に泊原発(泊村)が停止した。融雪や暖房のため冬は夏より電力使用量が多く、電力不足が課題となった。道内では12月10日~来年3月8日に一昨年度比7%という数値目標のある節電を求められている。
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