JR東日本、3月の定期券販売78%増 駆け込みで
東日本旅客鉄道(JR東日本)は3日、3月の定期券販売が前年同月比78.1%増の984億円になったと発表した。増減率は毎月平均1%程度で推移しており、消費増税前の駆け込み需要で大幅に伸びた。販売枚数も5割増の278万枚に上った。同日、記者会見した冨田哲郎社長は「定期券販売は予想をはるかに上回った」と語り、単月では過去最高になった。
消費税率が3%から5%に上がる直前の1997年3月の定期券販売は前年同月比36%増だった。今回は前回の伸びを大幅に上回った。混雑を緩和するため、定期券の新規購入を継続と同じく2週間前から買えるようにしたことも販売を押し上げた。
定期券販売の内訳をみると、在来線が77.9%増、新幹線は83.6%増とそれぞれ大幅な伸びを示した。定期券ではこれまで3カ月間で購入していた人が6カ月間に伸ばすなど期間を長くする傾向もみられ、販売枚数の伸びに比べ金額ベースの伸びが大きくなる要因となった。
定期券に限らず、回数券なども3月中に購入すれば、旧運賃が適用される。このため、回数券などの切符販売も前年同月比8.6%増となった。
消費増税に伴い、1日からICカード型乗車券は1円単位、切符は10円単位と、同じ乗車区間でも料金が異なる「二重運賃」制度が始まった。料金の改定に関して冨田社長は「大きな混乱はなかった」としている。
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