路線価、下落幅0.7%に縮小 14年 東京・大阪6年ぶり上昇
国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2014年分の路線価(1月1日現在)を発表した。全国約34万地点の標準宅地は前年比で平均0.7%マイナスと6年連続で下落したが、下げ幅は前年より1.1ポイント縮小した。前年を上回ったのは8都府県で、東京都や大阪府が6年ぶりに上昇。沖縄県は横ばいで、下落した38道府県も下げ幅はすべて縮小し、地価の底打ち傾向は強まっている。
東京都は1.8%上昇、大阪府は0.3%上昇でリーマン・ショック前の08年以来の上昇。愛知県は1.2%上昇と2年連続で上がり、三大都市圏の3都府県がそろって上昇となった。首都圏では神奈川県(0.8%上昇)、千葉県(0.1%上昇)、埼玉県(0.1%上昇)がいずれも6年ぶりに上昇に転じた。
ほかに上昇したのは東日本大震災の被災地の2県。福島県が0.8%上昇と上昇に転じ、宮城県は2.4%上昇と2年連続で上がった。沿岸部からの移住者の住宅需要が高まり、地価を押し上げているとみられる。
都道府県庁所在地の最高路線価は18都市(前年は7都市)が上昇。上げ幅が大きいのは名古屋市(10.0%)、東京都の調査地点の中央区(9.7%)、横浜市(7.8%)の順だった。下げ幅は鳥取市(7.7%下落)が最も大きかった。
福島第1原子力発電所事故に伴い現在居住できない帰還困難区域、居住制限区域などは、引き続き評価額を「0」として税務申告できる。