天然記念物アマミノクロウサギ、天敵駆除で増える
鹿児島県・奄美大島で外来種マングースの駆除が進み、国の特別天然記念物アマミノクロウサギの数が回復傾向にあることが29日までの環境省奄美野生生物保護センターの調査で判明した。
保護センターがマングースの根絶を目的にした組織「マングースバスターズ」を2005年に結成、わなや探査犬を使った活動で成果を上げた。保護センターの石川拓哉自然保護官は「引き続き着実に作業を進め、22年までの完全駆除を目指したい」と話している。
保護センターによると、わななどによるマングースの捕獲数は06年には年間2700匹余りだったのが11年度は261匹と激減し、3年連続で過去最低を更新。一定の数のわなに対して捕まる数も大きく減り、一時期多かった市街地でも、道路を横切る姿はほとんど見られなくなったという。
一方、ふんの数などの調査によると、アマミノクロウサギは島内の各地域で増加。10~12年は、07~09年と比べて見つかるふんの数が5倍以上に増えたエリアもあった。
奄美地方と沖縄に生息する鳥で希少種のアマミヤマシギも島内でマングースが減るのにつれて回復傾向にあり、特にひなを育てる時期に見つかる頻度が繁殖期に比べて1.5~2倍に増えたという。〔共同〕