不正アクセス摘発、12年は過去最多 10代が42%
他人のIDやパスワードを悪用するなどした不正アクセス禁止法違反の昨年1年間の摘発者数は、前年比約35%増の154人だったことが28日、警察庁のまとめで分かった。2000年の同法施行以降で最多で、年代別では10代が42%を占め、最も多かった。スマートフォン(スマホ)が普及する中、同庁は「若者を中心にオンラインゲームなどの利用が急速に増えたことが背景にある」とみている。
警察庁によると、認知件数は1251件。09年の2795件をピークに減少が続いていたが、前年比約1.4倍に増えた。パスワードなどの管理意識が低いユーザーが狙われていることが増加の要因とみられる。
摘発件数は同約2.2倍の543件だった。年代別の摘発では、10代が64人で最も多く、次いで20代が34人、40代が28人など。
不正アクセスに悪用したIDやパスワードの入手方法は、本人から聞き出したり、のぞき見したりしたケースが全体の43.0%に当たる229件で最も多かった。パスワードの設定や管理の甘さにつけ込んだのが122件だった。
不正アクセス後の行為では、オンラインゲームや交流サイト(SNS)上での他人のアイテムや通貨の不正取得などが662件と最多。認知件数全体の52.9%を占めた。ネットショッピングの不正購入(223件)、情報の不正入手(99件)、ネットバンキングの不正送金(95件)などが続いた。
不正アクセスも含め、ネットを利用した詐欺や児童買春・ポルノ禁止法違反などサイバー犯罪全体の摘発総数は同27.7%増の7334件。統計の残る00年以降で最多を記録した。