「過去の量刑、裁判員も考慮必要」 最高裁が初判断
求刑の1.5倍の量刑を言い渡した裁判員裁判判決を破棄した24日の最高裁判決は、市民感覚を生かす裁判員裁判でも「他の裁判との公平性は必要」とし、過去の量刑傾向を考慮すべきだとする初判断を示した。
判決は「裁判員裁判は過去の量刑傾向に従うことは求められていないが、大まかな量刑傾向を出発点として評議を深めていくべきだ」と指摘。従来の傾向から大きく外れた量刑の判決を出す場合、その理由が具体的、説得的に示されなければならないとした。
そのうえで、今回の事案では「求刑を大幅に超える量刑について、具体的根拠が示されているとは言い難い」と結論付けた。
裁判長を務めた白木勇裁判官は補足意見で「同種事犯の量刑傾向を考慮しないと、量刑評議は直感による意見交換になってしまう。裁判官は裁判員に過去の量刑傾向を適切に説明する必要がある」と述べた。