B型肝炎訴訟が和解へ 原告団、地裁案受け入れ
集団予防接種の注射器使い回しが原因でB型肝炎ウイルスに感染したとして、患者や遺族が国に損害賠償を求めているB型肝炎訴訟で、全国原告団は22日、東京都内で代議員総会を開き、札幌地裁が提示した和解案を受け入れることを決めた。
政府はすでに「前向きに検討する」との姿勢を示しており、全国10地裁で原告計630人が訴えた訴訟は、和解成立へ向かう道筋がついた。
原告、国側双方は2月15日の次回期日で同地裁に意向を伝える。30年で約3兆2千億円と見込まれる財源の確保が課題となる。
政府・与党は和解の財源確保に向けて野党との調整を本格化する。原告以外の患者も含めて救済する「特別措置法」を与野党合意で成立させたい考えだ。
救済財源について、枝野幸男官房長官は22日、訪問先の那覇市内で「具体的な話は現段階ではまったく白紙。解決に向けていい方向で結論を出せないか政府内で最終調整している」と述べた。
札幌地裁が示した和解案では、感染していても症状が出ない「無症候性キャリアー」に和解金として1人当たり50万円を支払うことを国に求めた。死亡や肝がん、重症肝硬変は3600万円、軽症肝硬変は2500万円、慢性肝炎は1250万円を求めている。