1リットル満たしても2グラム 東大が低密度液体
水の500分の1
1リットルのペットボトルを満たしても重さはわずか2グラム――。東京大学の福山寛教授らは21日までに、最も低密度の液体を作ったと発表した。ヘリウム3を絶対零度(セ氏零下約273度)近くまで下げると、密度は1立方センチ当たり0.002グラムだった。水の500分の1で、最も密度が低いとされた液体水素に比べても30分の1という。
炭素でできたグラファイト(黒鉛)の表面にヘリウム3の原子を吸着させた状態で、絶対零度近くまで温度を下げる実験をした。ヘリウム3は水たまりのような集まりを作り、液体になったことが確認できた。
これまでの理論では、ヘリウム3は絶対零度でも気体のままだと考えられていた。