トマト 授粉いらず 筑波大など開発、3年後めど実用化
筑波大や理化学研究所、カゴメの共同研究グループは20日までに、授粉しなくても実をつけるトマトを開発したと発表した。栽培品種と交配して3年後をメドに実用化を目指す。栽培品種にすれば授粉などの手間やコストが大幅に減るという。
現在のハウス栽培のトマトはハチを使って授粉させたり、花をホルモン処理したりして実をならせている。
筑波大の江面浩教授らは、薬品処理などで突然変異を起こした実験用の小さなトマトを1万系統以上作り、その中から授粉しなくても実をつけるトマトを10系統見つけた。
このうち5系統の遺伝子を特定し、1系統については7日に特許も共同出願した。この遺伝子を利用すれば、授粉しないで実をつけるメロンやナス、ナシなどの開発にもつながるという。
これまでも同様のトマトは開発されてきたが、実に亀裂が入ったり、収穫後にすぐに実が軟らかくなったりして、あまり普及していない。新開発のトマトは別の遺伝子の変異を生かしており、亀裂などの問題は起きていないという。