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凶暴スズメバチ、長崎・対馬に定着 生態系に悪影響の恐れ

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韓国や欧州で人間の被害や生態系への影響が大きな問題になっている中国原産のスズメバチ「ツマアカスズメバチ」が長崎県の離島、対馬に侵入、定着していることが、地元の自然愛好家や対馬市、九州大の調査で10日までに確認された。

攻撃的で、健康被害とともに、餌になるニホンミツバチなど在来の昆虫の生息や生態系への悪影響が懸念される。環境省も対馬での生息状況や生態の調査を始め、防除対策の検討に乗り出した。

調査を行った九州大の上野高敏准教授は「繁殖力が強く、本土に侵入したら分布が急拡大し、被害が深刻化する可能性が高い。早めの駆除対策が必要だ」と警告する。

ツマアカスズメバチは最大で体長が3センチ程度になるスズメバチの一種。昆虫などを捕食するほか、巣を刺激すると執拗に人間を追尾することが知られている。日本に広く分布するオオスズメバチよりは小さいが、対馬にもいるヒメスズメバチより攻撃性ははるかに高いという。

上野准教授が昨年、現地調査を実施した結果、ツマアカスズメバチの定着を確認し、韓国と欧州に侵入したタイプと同一であることを明らかにした。対馬北部では多数の巣が見つかり、養蜂に使うニホンミツバチを捕食していることも分かった。

対馬との間に定期航路がある韓国から、船に乗って侵入した可能性が高いという。

対馬市は巣が確認された場合は専門家を派遣して駆除するとの対策を取っているが、上野准教授によると、巣は駆除が困難な高い木の上や崖の上などにも多く、現状の対策では分布拡大を防ぐには不十分だという。

長崎県自然環境課は「早期に対応すべきだと考えている。環境省や対馬市と協力して対策を検討したい」としている。

▼ツマアカスズメバチ アジアを中心に分布するスズメバチの一種。全身は黒色で頭と腹部が赤い。欧州では2004年ごろにフランス南部で確認されて以来、急速に分布域が拡大。ミツバチの減少との関連が指摘されているほか、刺された人の死亡例もある。韓国では03年ごろから、急激に分布を拡大。在来のスズメバチの数が急減したことや、都市部で最も刺傷例の多いスズメバチになっていることが報告されている。〔共同〕

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