福島沖の海底に「ホットスポット」 東大など発見
東京大学などは7日、福島沖の海底で、放射性セシウムの濃度が周辺よりも2~10倍高い「ホットスポット」が40カ所見つかったと発表した。東京電力福島第1原子力発電所の事故で放出されたセシウムがくぼんだ場所などにたまったためとみられる。ホットスポットの分布状況は、漁獲を制限する海域を定める必要性の判断や海底の除染作業に役立つという。
周辺の海域で水揚げされた魚は放射性物質の検査を受けて販売されており、ただちに健康被害などにはつながらないと説明している。
調査は独立行政法人の海上技術安全研究所などと、原発から20キロメートル圏内の海域を中心に昨年8月から実施した。船につないだ装置を海底にはわせながら測定し、セシウムなどの濃度を調べた。
ホットスポットのほぼ半数はくぼ地で、長さは数十メートルから数百メートルとさまざまだった。原発から約70キロメートル離れた阿武隈川の河口付近の海底でも見つかった。セシウムは粘土とくっついてくぼ地などにたまるためとみている。