渓流魚、河川増水すると支流に 北大が釣り人の言い伝え証明
北海道大の小泉逸郎特任助教は、大雨などで河川が増水すると、渓流魚は川の流れが穏やかな支流に逃げることを突き止めた。増水でかき乱された河川を避けるためとみられる。釣り人の間で言い伝えられてきた知識を証明した。成果は1日に日本動物学会誌(英文)に掲載された。
研究チームは国土交通省が北海道の十勝平野を流れる札内川のダムで試験放水が実施された際、札内川に流れ込む支流のうち4本を対象に魚の数を調べた。サケ科のオショロコマが、放流前にいなかった支流で増水中に11匹が確認されたほか、ほかの支流でもヤマメやニジマスが見つかった。
釣り人の間では河川が増水してから数日間は、支流に渓流魚が増えるといわれ、釣りを楽しむ好機とされてきた。堤防やせきなどで河川の本流と支流を魚が自由に行き来できなくなると、渓流魚が逃げる場所を失って生息環境にも影響が出る恐れがあるという。