携帯電話の販売代理店子会社、NECが売却交渉
NECが子会社で携帯電話の販売代理店事業を手掛けるNECモバイリングの売却交渉を進めていることが26日わかった。豊田通商とデンソーが共同出資するTDモバイル(東京・港)と、丸紅子会社の丸紅テレコム(同)の2社が交渉相手として浮上している。2013年度中にも売却交渉をまとめる見通しだ。
NECは12年3月期に連結最終損益が1102億円の赤字となり、経営体質の改善を急いでいる。発行済み株式の51%を持つNECモバイリングは黒字基調だが、経営資源の集中を進めるIT(情報技術)関連や通信施設事業などと相関関係が薄いと判断し、売却で切り離す。
保有する全株を売却する場合、26日の終値(5510円)ベースで計算すると売却額は約400億円となる。
携帯電話販売では昨年10月、伊藤忠商事傘下で国内4位のアイ・ティー・シーネットワーク(ITCN)とパナソニック傘下で7位のパナソニックテレコムが合併し、業界3位に浮上。運営するドコモショップの数では首位に立った。スマートフォン(スマホ)の販売競争が激化するなか、規模拡大が勝ち残りの条件となっており、合従連衡が加速しそうだ。
NECは今後、中核事業と非中核事業の選別を進める中で携帯電話事業の再編も進める見通し。