ビッグデータ通信量を100分の1に 富士通が新技術
富士通は13日、爆発的に増えるデータ(ビッグデータ)の分析機能を分散することで、データ通信量を100分の1に削減できる技術を開発したと発表した。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)やクラウド普及による通信量増大が問題化していることに対応する。2013年度に実用化し、ビッグデータ分析技術を応用したクラウドサービスの競争力向上につなげる。
傘下の富士通研究所が開発した。情報を発信するセンサーなどの近くに、有効なデータを抽出・分析するパソコンやルーターを配置。複数箇所でデータ処理機能を持たせ、クラウドの中枢を担うサーバー群と通信網の負荷を減らす。
例えばビルの電力消費データを収集する場合、部署やフロアなど統計処理上有意義な項目ごとに集計するように設定。そのデータ分析結果をリアルタイムでクラウドで収集できるようにする。これまではセンサーの生データをすべて通信回線を通じてサーバー群に集約し、分析していた。試算ではデータ通信容量を100分の1に減らせるという。
次世代電力計(スマートメーター)や自動車に搭載した全地球測位システム(GPS)など各種センサーのデータを収集・解析する「機器間通信(マシン・ツー・マシン、M2M)」と呼ばれるクラウド利用が広がっているが、通信網への負荷が課題として浮上。富士通はこの技術を使えばデータ通信量増大に歯止めがかかり、ビッグデータ利用が進むと見ている。