JCOM、住商、KDDIが通信・放送で提携発表
CATV最大手のジュピターテレコム(JCOM)、住友商事、KDDIの3社は10日、通信・放送事業での提携に合意したと正式発表した。KDDIグループが手掛ける固定・携帯電話や高速無線サービスをJCOMが販売。住商も営業面で支援する。KDDIのCATV子会社とJCOMの経営統合も検討する。JCOMの大株主である住商とKDDIの協力により、NTT対抗勢力としてのJCOMの企業価値向上を図る。
3社は同日、提携に関する覚書を締結した。会見したJCOMの森泉知行社長は「広範な事業領域を持つ住商と、新たに株主となったKDDIとの関係を生かし、企業価値向上に資する提携を実現していく」と述べた。
具体的にはJCOMの固定電話サービスをKDDIのCATV向け固定電話サービスに統合。JCOMの各種サービスとKDDIの携帯電話などをセットで契約すると料金が割安になるプランを提供する。KDDIグループの高速無線サービスをJCOMのネット接続サービスのオプションとして提供することも検討する。
KDDI子会社でCATV業界2位のジャパンケーブルネット(JCN)とJCOMの資本提携について、KDDIの両角寛文執行役員専務は、「時期や方法の検討はこれからだ」と説明。住商の大沢善雄常務執行役員は「(統合による)相乗効果は相当大きい」と期待を示した。
NTTに依存しない家庭へのアクセス網の拡充を目指すKDDIは、今年2月にJCOM株を大量取得。JCOMの設立当初から大株主だった住商は4月、TOBによりJCOMの筆頭株主になった。住商のTOB成立後、JCOMとKDDIは作業部会を設置。住商も交えて提携に向けた協議を重ねてきた。