三井物産、中国・黒竜江省で穀物集荷事業 現地企業に4割出資
三井物産は8日、中国・黒竜江省で穀物の集荷・販売事業に乗り出すと発表した。黒竜江省政府が100%出資する国営企業のグループ会社に4割出資する。中国では人口増や生活水準の向上で食肉用の穀物需要が増大している。三井物産は北米や南米で培った穀物集荷・管理ノウハウを導入し、中国で伸びる穀物需要を取り込む。
黒竜江省農墾総局傘下の黒竜江農墾北大荒商貿集団と、同社が全額出資する北大荒糧食物流(糧食物流)に4割出資することで合意した。出資額は約26億円。中国政府の許認可を経て今夏までに実施する。三井物産は非常勤役員のほか、常勤社員2人を派遣する。
糧食物流は中国の穀倉地帯である黒竜江省などでトウモロコシや米、大豆を集荷、販売している。2011年の穀物取扱量は161万トンだが、三井物産の出資金で集荷施設を拡充し、15年までに500万トンまで増やす計画。将来は海外から大豆輸入も検討する。
三井物産は穀物ビジネスを中核事業の一つとして位置付けており、北米や南米で集荷能力を強化しているほか、中国では農牧大手の新希望集団(四川省)と飼料原料の調達・販売を手掛ける合弁会社を設立している。
関連企業・業界