ロームが希望退職250人募集 13年3月期、2期連続最終赤字で
ロームは8日、本体の従業員の7%にあたる250人の希望退職を募集すると発表した。テレビやパソコン向け半導体部品の低迷で2013年3月期に110億円の最終赤字(前期は161億円の赤字)が避けられず、年間配当も30円と前期比30円減配する。生産ラインも一部閉鎖・集約し、コスト削減を急ぐ。
希望退職の募集は創業来初めて。35歳以上が対象で、来年1月に希望者を募る。これに伴う費用として25億円の特別退職金を13年3月期に計上する。海外拠点のリストラや人員の自然減などを合わせた連結ベースの人員数は今期末に600人減る見込みだ。
大規模集積回路(LSI)の生産ラインは本社工場(京都市)の直径150ミリメートルウエハーラインを閉鎖し、福岡県広川町の工場の200ミリラインを縮小。浜松市の工場でも200ミリラインを300ミリラインに集約する。
子会社のラピスセミコンダクタ(東京都八王子市、旧OKIセミコンダクタ)では本社工場や宮城工場の生産ラインを削減する。ロームは08年にラピスを買収し、生産能力の過剰感が高まっていた。
大阪市内で記者会見した沢村諭社長は「日系メーカーのデジタル家電の落ち込みの影響が大きく、下期も部品需要は減少する」とし、通期の業績予想を下方修正した。売上高は2910億円と前期比4%減り、100億円の黒字を見込んでいた最終損益は2期連続の赤字となる。沢村社長は「利益が出せる体質に変え、14年3月期に黒字転換を果たす」とした。
同日発表した12年4~9月期決算は1億7100万円の最終赤字(前年同期は21億円の赤字)だった。
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