秋田でシェールオイル初採取 来年度から試験生産
石油資源開発、国内開発に弾み
石油資源開発は3日、秋田県で地下の固い岩盤の間にある新型原油「シェールオイル」を採取したことを明らかにした。米国では掘削技術の普及でシェールオイルの生産が本格化しているが、日本での採取は初めて。同社は来年度から試験生産を始める予定。資源量は小規模にとどまるものの、国内に眠る新資源の開発・生産技術の蓄積につながりそうだ。
同社は「鮎川油ガス田」(秋田県由利本荘市)の地下約1800メートルの地点で今月から採取実験に着手。水で薄めた塩酸などを注入し、シェールオイルがあるとみられる岩盤の割れ目に詰まった石灰などを溶かしていた。3日から塩酸などの回収を始め、その中に原油の成分を確認できた。
同社によると、開発した場合、周辺を含め約500万バレル(日本の原油消費量の約1.5日分)の生産が見込めるという。
石油資源開発は4日まで回収を続け、実験で得た原油の量などを分析。来年から水平方向に井戸を掘り進め、高い水圧で割れ目を破砕し、原油を取り出せるかを調べる。経済性などを調べて生産への移行を検討する。
同社は今年8月、米テキサス州のシェールオイル開発に参画した。秋田県で得たノウハウを海外事業にも生かす考えだ。
シェールオイル初採取が伝わったことが買い材料視され、3日の東京株式市場では石油資源開発の株価が一時、前日比335円(10.4%)高の3545円まで上昇した。