米国株、大幅に3日続伸 ダウ128ドル高で最高値更新 IT株高い
【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式相場は大幅に3日続伸した。ダウ工業株30種平均は前日比128ドル78セント(0.9%)高の1万4802ドル24セントと連日で過去最高値を更新。前日比の上昇幅は2月27日以来約1カ月半ぶりの大きさだった。欧州や中国の株高を好感したほか、日銀の金融緩和で資金が米株式市場に流入しやすくなるとの期待も強かった。
IT(情報技術)関連など年初来の株価推移が相場全体に対して出遅れている銘柄に、割安とみた買いが広がった。
オバマ大統領が2014会計年度の予算教書を議会に提出した。歳出削減などを通じて追加の財政赤字削減を目指す内容が好感され、買いを誘ったとの見方もあった。
朝方公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月19~20日開催分)は、量的金融緩和に伴う資産購入の縮小や停止について活発な議論があったことが明らかになった。ただ同FOMC終了後の4月初めに発表された雇用統計が低調な内容になるなど、米連邦準備理事会(FRB)が政策の目標とする雇用情勢は回復途上との見方も多い。市場では量的緩和の早期縮小への懸念はあまり高まらなかった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比19.12ポイント(1.2%)高い1587.73と約1週間ぶりに過去最高値を更新。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同59.39ポイント(1.8%)高の3297.25と2000年11月7日以来、約12年5カ月ぶりの高値で終えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約7億株(速報)、ナスダック市場は約17億3000万株(同)。業種別S&P500種株価指数は「IT」や「ヘルスケア」、「資本財・サービス」など全10業種が上昇した。
証券アナリストが投資判断や目標株価を引き上げたIBMが上昇。マイクロソフトは投資判断の引き下げを受けたものの買われた。米調査会社IDCが携帯端末向け広告市場での勢いが強まっていると指摘した交流サイト(SNS)フェイスブックも高い。
増益決算を発表した中古車販売のカーマックスも堅調。四半期決算とあわせて2013年8月期の1株利益見通しを引き下げたディスカウントストアのファミリー・ダラー・ストアーズも上げに転じて終えた。
一方、ダウ平均構成銘柄でディスカウントストア大手ウォルマート・ストアーズや非鉄のアルコアなどが下げた。