アルゼンチン債、事実上「デフォルト」に
【サンパウロ=外山尚之】米格付け大手S&Pグローバル・レーティングスは7日、アルゼンチンの外貨建て債務の格付けについて、長期・短期とも一部に不履行があることを意味する「SD(選択的デフォルト)」に引き下げた。アルゼンチン政府は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に債務の返済延期を発表したことを受けた。
2020年10月満期の国債もデフォルト(債務不履行)を意味する「D」とした。フィッチ・レーティングスも6日にアルゼンチンの債務格付けを部分的な債務不履行を示す「RD」にした。
アルゼンチン政府は6日、98億ドル(約1兆円)規模の政府債務の返済を延長すると発表した。S&Pは債権者との合意に至れば格付けを戻せるとしている。
アルゼンチン政府は急激な通貨下落が発生した19年8月以来、債務の返済猶予を繰り返し、そのたびに格付け会社からデフォルト扱いを受けている。これまでは返済条件を早期にまとめて、デフォルト状態はすぐに解消されていた。