トルコ与党、一部分裂 元首相が新党、政権に打撃
【アンカラ=共同】トルコの与党、公正発展党(AKP)を9月に離党したダウトオール元首相が13日、首都アンカラで新党「未来党」の設立を発表した。2002年から長期政権を維持するAKPが一部分裂した。党首を務めるエルドアン大統領にとって打撃となりそうだ。
設立式典で演説したダウトオール氏は、現政権が「権力維持しか考えていない」と批判。憲法改正を経て大統領に実権を集中させた政治制度は「民主主義の条件を満たしていない」と指摘し、未来党の目標は国民の繁栄や表現の自由を保障することだと語った。
未来党にはAKPの元国会議員らが参加。ダウトオール氏と同じくAKPの有力者だったババジャン元副首相も7月に離党し、別の新党を近く立ち上げる考えを示している。
ダウトオール氏は14年に首相に就任したが、大統領制導入を巡るエルドアン氏との確執から、16年に事実上の辞任に追い込まれた。その後はAKP内部から政権批判を強めていた。
AKPは今年、最大都市イスタンブールやアンカラなどの市長選で野党に敗北した。強権的なエルドアン氏の求心力の低下が指摘されている。