新ポイント制度の還元率25%に 自民提言、マイナンバー活用で
自民党の経済成長戦略本部(本部長・岸田文雄政調会長)は14日、党本部で経済対策に関する会合を開いた。政府が2020年9月の開始をめざすマイナンバーカードを活用したポイント還元制度に関し、還元率を25%とするよう提言した。消費税率10%への引き上げに伴う景気の落ち込みを避ける対策に位置づける。
自民党同本部は還元率に関し、プレミアム付き商品券など過去の消費活性化策を参考に「25%とし、国民がメリットを強く実感する制度設計にする」よう要求した。普及率が10%台にとどまる同カードの利用を後押しする効果もある。19年度補正予算案に関連費用を盛り込むよう求める方針だ。
同カードを使ったポイント制度は政府が予定を前倒しし、20年9月の導入に向けて準備中だ。カードにためた電子マネーなどを使って買い物をすれば、国からポイント還元を受けられる全国共通の制度を検討している。
今年10月に消費税増税対策として導入したキャッシュレス決済へのポイント還元制度は20年6月末に終了する。マイナンバーカードを使った新制度は20年10月の開始を想定していたが、対策に空白が生じるとの懸念が強く、1カ月前倒しする。
自民党の経済成長戦略本部は次世代通信規格「5G」関連の投資を支援する新たな税制の導入、学校のICT(情報通信技術)整備に関する予算の増額を求める方針も確認した。
岸田氏は14日の会合で「20年の東京五輪・パラリンピックをにらみ、より大きな成長戦略を打ち出したい」と述べた。自民党は26日に政調の各部会長を集め、補正予算に関する要望をまとめる。