世界債務2京円、過去最大に GDPの2.3倍
IMF専務理事、リスク管理強化促す
【ワシントン=共同】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は7日、ワシントンでの講演で、世界の公的部門と民間部門が抱える債務が計188兆ドル(約2京円)に達し、過去最大を更新したと明らかにした。世界の国内総生産(GDP)の約2.3倍に当たり「債務の持続性や透明性の確保がより必要だ」と指摘し、リスク管理の強化を促した。
日米欧など世界各地の中央銀行が実施している金融緩和策による金利低下で、お金を借りやすい状況が続き、債務が拡大している。
ゲオルギエワ氏は、銀行の融資が企業の新たな投資につながり「将来の繁栄の素地をつくる」重要な役割を果たしていると強調。ドイツや韓国など財政に余裕のある国でインフラ整備や研究開発の支出を拡大すれば、成長拡大に向かうとも指摘した。
一方、債務膨張で多くの政府や企業、家計が急な金利上昇に対して「弱くなっている」とも分析。利払い負担増などによって債務返済や借り換えが困難になるためだ。
低金利による運用難で少しでも高い利回りを得ようとリスクの高い資産への投資も増えている。IMFは、2021年に債務不履行のおそれがある企業債務は日本を含む主要8カ国で19兆ドルにのぼると試算していた。
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