中国顔認証メグビー、上場申請で1000億円調達めざす
【香港=木原雄士】人工知能(AI)を使った顔認証技術などを手掛ける中国の曠視科技(メグビー・テクノロジー)が27日までに香港取引所に株式上場を申請した。同社は顔認証システム「Face++」で知られるAIの有力企業で、中国のアリババ集団も認証技術を採用している。上場で10億ドル(約1千億円)の資金調達をめざす。
メグビーはユニコーンと呼ばれる企業価値が10億ドルを超える未上場企業の1つ。2011年に創業し、深層学習を駆使した精度の高い認証システムなどを売りにする。アリババやパソコン世界最大手レノボ・グループ、中国移動(チャイナモバイル)などと提携している。
香港取引所に開示した資料によると、19年1~6月期の売上高は9億4899万元(約140億円)と、前年同期の3.1倍に急拡大した。最終損益は52億元の赤字だったものの、19年にすでに760億円あまりを市場から調達するなど成長に期待が高い。
取引所の審査を経て秋の上場をめざす。上場によって調達した資金はAIのトップ人材確保を含む研究開発や、データセンターの設立などにあてる。中国以外への事業展開も視野に入れており、日本やシンガポール、タイに進出する計画がある。
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