渋野選手地元・岡山の駄菓子屋にぎわう 豪雨復興後押し
AIG全英女子オープンで日本選手として42年ぶりにメジャー優勝を果たした渋野日向子選手(20)が子どもの頃によく通った岡山市東区の駄菓子屋がにぎわっている。渋野選手が好んだ菓子を買い求めようと、市内外から普段の10倍を超える200人以上が訪れる日も。店は西日本豪雨で被災しており、「渋野フィーバー」は地元の復興を後押ししている。
市立平島小の近くにある「坪井商店」は1952年創業。昔懐かしい雰囲気の店内には約500種類の菓子が所狭しと並ぶ。店主の坪井広美さん(85)によると、平島小に通っていた渋野選手はゴルフやソフトボールの練習後によく来た。「いつも明るく、笑顔で愛嬌(あいきょう)のある子だった」
地区では2018年7月の豪雨で河川堤防が決壊して約2千棟が浸水。店も床上まで漬かり、一時は「店を畳もうか」と思った。だが、汚泥をかき出すのを手伝ってくれた常連客から「続けてほしい」と励まされた。「もう少し頑張ってみよう」と決意し、18年9月下旬に再開。渋野選手も19年5月に来店した。
メジャー優勝後、渋野選手が行きつけだったと報じられると、客が殺到。プレーの合間に頬張って注目を集めた菓子「タラタラしてんじゃねーよ」などを詰め合わせた「シブコセット」が大人気に。大阪府から岡山市の実家に帰省中に娘と訪れ、シブコセットを買った古賀江利子さん(42)は「一度来てみたかった。子どもも楽しみにしていた」と笑顔で話した。
坪井さんは「ひなちゃんのおかげで、うちの店だけでなく、豪雨で被災した地元に活気が出てきた。本当に誇らしい」と頬を緩めた。〔共同〕