米、ファーウェイと北朝鮮の関係調査へ 米紙報道受け
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は22日、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)が北朝鮮の通信網構築に関与していたとの米紙報道を受け、同社と北朝鮮の関係を調査すると表明した。厳しい輸出規制の対象国である北朝鮮との関係が明らかになれば、ファーウェイへの制裁緩和を巡るトランプ政権内の議論に影響を及ぼす可能性がある。
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は22日、ファーウェイが中国企業を通じて北朝鮮に通信機器や保守サービスを提供していたと報じた。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「調査する」と語った。
ファーウェイが米国の部材やソフトウエアを使った製品を北朝鮮に輸出していれば、米国の輸出管理法違反となる可能性がある。
ファーウェイはこの報道を受け「北朝鮮では何も事業をしていない」と否定する声明を出した。「国連や米国、欧州の輸出規制を含め、当社が事業を営むあらゆる国や地域の法律や規制を順守している」とした。
ファーウェイを巡っては北朝鮮だけでなく、中国人民解放軍とのつながりなど安全保障上の懸念を指摘する米報道が相次いでいる。政権や議会の対中強硬派から、強力な制裁の維持を求める声が一段と広がる可能性がある。
米商務省は5月、イランへの違法輸出などを理由にファーウェイを事実上の禁輸リストに加えた。トランプ氏は6月末の米中首脳会談後に一部取引を容認する姿勢をみせたが、制裁をどの程度緩和するかは政権内で意見が分かれており、方針が定まっていない。
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