米、イランの小型無人機を撃墜 ホルムズ海峡
【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は18日、中東のホルムズ海峡で米強襲揚陸艦「ボクサー」がイランの小型無人機を撃墜したことを明らかにした。米側の警告をイランが無視したためだと説明し、防御的な対応だと主張した。イランが反発して中東情勢の緊張が一段と高まる恐れがある。
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ホワイトハウスの会合で語った。米国防総省によると撃墜したのは現地時間18日午前10時頃(日本時間同日午後2時半頃)だった。トランプ氏によると、ボクサーにイランのドローンが約900メートルの距離まで近づいたため、警告を複数回発したがイラン側はそれを無視したという。「艦船と乗組員の脅威となり、ドローンを直ちに破壊した」と説明。「米国は航行の自由とグローバルな取引を混乱させるイランの試みを非難するよう全ての国に求める」と力説した。
その上で「これは公海を航行する船へのイランによる挑発的で敵対的な行動の最新事例だ」と指摘。「ホルムズ海峡を通る際に各国は自国の船を守り、私たちと連携するよう求める」と強調し、イランの脅威に共同対処する必要性を唱えた。
トランプ米政権は19日にホルムズ海峡近辺を航行する船舶の安全確保のための有志連合の形成に向け、関係国への説明会を開く。無人機の撃墜を明らかにしたのは、各国に協力の必要性を訴える狙いがあるとみられる。
一方、イランのザリフ外相は18日、ニューヨークの国連本部で記者団に「無人機の撃墜に関して我々は情報を持っていない」と語った。ザリフ氏は国連のグテレス事務総長と会談した。
ホルムズ海峡周辺では5~6月にタンカーが攻撃される事件が相次ぎ発生。6月半ばには、イランの精鋭部隊である革命防衛隊に米国の無人偵察機が撃墜された。この際はトランプ氏が報復措置としてイランへの軍事行動を検討し、実行寸前で撤回するなど緊張が高まった。

2025年1月20日(現地時間)にドナルド・トランプ氏が再びアメリカ大統領に就任。政権の行方など最新ニュースや解説を掲載します。